アムンゼンという生地の名前を聞いたことはありますか？アムンゼン生地とは梨地織の1つで、梨の皮のような細かい凹凸が特徴です。ちりめんと似ていますが、用途や特徴は異なります。今回は聞き馴染みの薄いアムンゼンの名前の由来から生地の特徴、洗濯方法まで詳しく紹介して行きます。
アムンゼンとは？生地の由来をご紹介
アムンゼンは独特の凹凸感やシボのある、果物の梨の皮のような肌触りの「梨地織り」を総称した生地。カタカナ5文字の「アムンゼン」は海外発祥の生地？とイメージされる方も多いと思いますが、実は日本で独自に呼ばれている名前なのです。
ノルウェーの探検家であるロアール・アムンゼン（Roald Amundsen）という方がこの生地の名前の由来。1900年代前半に彼の南極探検成功が日本で話題となったことが、この名前のきっかけといわれています。元々は羊毛（ウール）の梨地織りのことを指していましたが、最近では毛の種類ではなくシボのある凹凸感のある生地をアムンゼンと呼んでいます。
メロンアムンゼンとは？
同じ系統の素材にメロンアムンゼンと呼ばれているものもあります。表面がメロンの皮のようになっていて、一般的なアムンゼンより織り目がしっかりと出ていて、立体的かつ厚手なのが特徴です。
アムンゼン生地の特徴は？
アムンゼン生地の特徴は梨の皮のように、細かくザラザラしたような細かい凹凸感のある肌触りの生地のこと。近くに寄って見ないとわからないくらいのゴツゴツ感で、やわらかい印象を与えてくれます。そんなアムンゼン生地には他にも、高級感と着心地の良さも兼ね備えています。
アムンゼン生地ならではの上品な高級感
“高級そうな生地”と聞くと。サテンのような光沢感をイメージする方も多いと思います。しかしアムンゼン生地には光沢はないものの、ドレープ感があるのが特徴です。ドレープとは生地を持ち上げた時に自然にヒダが入るような落ち感のこと。体にフィットしやすくシルエットを美しく保てるため、品のある印象になります。
また生地にハリが生まれるのも魅力です。薄手の生地も多いですがペラペラとした安っぽさはなく、空気を含んだ凹凸感があるので高見えさせてくれます。
さらに単色でも生地の立体感によって色に深みが出て、見る角度や光の当たり方によって雰囲気を変えてくれるのもポイントです。見え方が変わることで色の奥行きが出て、リッチな雰囲気にさせてくれます。
着心地の良さも大きなメリット
高級感だけでなく肌に張り付かないので着心地の良さも特徴。生地の凹凸のおかげで汗をかいても肌にビタッとついてしまうことはなく、サラッとした着心地を保ってくれるのが特徴。夏の暑い時期にも重宝するアイテムです。
また独特なシワ感によって皺がついても目立ちにくくお手入れがしやすいのも嬉しいポイントです。アイロンがけが不要なのでイージーケアアイテムとしてもおすすめ。着心地が良く扱いやすいのが他にはない魅力です。
アムンゼンとちりめんの違い
「アムンゼン」と似た種類として「ちりめん（縮緬）」が挙げられます。これらの違いは糸の強さにあります。ちりめんでは経糸と緯糸のどちらか、もしくは両方の糸に頑丈な強撚糸を使い、収縮の力でシボを作り出しています。一方のアムンゼンでは糸ではなく編み方を調整することで、シボを作り出しています。ちりめんにはない頑丈さが魅力です。
アムンゼン生地の用途は？
アムンゼン生地のメリットにも記載した通り、上品な印象を与える記事が多いためフォーマルな場で使われることが多いです。結婚式やハレの日などのスーツやワンピース、ジャケットなどに使われます。
一方で日本の伝統的な文化の1つ、「よさこい」の衣装にも活用されています。若年層から年配まで年齢問わず着こなせる生地です。
アムンゼン生地の厚さやおすすめの季節
アムンゼン生地の特徴である表面のシボがあることで、汗をかいても肌にベタッと張りつくことがあまりなくサラッと着こなせるのが嬉しいポイント。そのため湿気の多い梅雨から夏、暑さの残る初秋までが衣類として着用する際におすすめの季節です。小物として使う際には季節を問わず重宝します。
アムンゼン生地の洗濯方法
アムンゼン生地の独特の凹凸感を守るため、手洗いもしくは洗濯ネットに入れて優しい水流コースで洗いましょう。脱水もできるだけ短い時間に収め、日光に直接当てるのではなく陰干しをするのがおすすめです。
またシワが目立ちにくいためアイロンをする必要は基本的にありませんが、どうしても気になる際は当て布をして低温で当ててください。できるだけ生地のシボ感を残すことを意識するのをお忘れなく！
quadroのアムンゼン生地アイテム
quadroにはアムンゼン生地を使ったアイテムも取り扱っています。こちらのヘンリーネックTシャツは清涼感があり夏におすすめのアイテム。袖が通しやすいリラックスしたサイズで、ネックラインのボタンがアクセントになっています。カジュアルに1枚で着こなすのはもちろん、ベストやシャツジャケットなどと合わせたコーデも叶います。
アムンゼン素材の柄物アイテム
こちらは花柄のプリントがインパクトのあるカラーシャツです。ゆったりとしたサイズ感で着心地が良いですが、カジュアルになりすぎないように肩幅と着丈のスッキリ感も持ち合わせています。ワイドパンツやテーパードなどと合わせてラフに着こなすのがおすすめです。
アムンゼンは個性あふれる着心地の良い上品な生地
今回はアムンゼン生地の歴史から特徴、選択のポイントまで紹介しました。アムンゼンという名前を聞くと、海外発の生地？と思われがちですが、実は日本で広まった名称なのです…！生地特有のシボ感や凹凸、着心地の良さをぜひみなさんも体感してみてください。
