布帛(ふはく)は織物の種類の1つで、縦糸と横糸を交互に織り込んで作る生地です。難しそうに聞こえますが、シャツやブラウスなどに使われいて日常的に身につけている方も多いはず。今回は布帛の特徴や区別されやすいニットとの違いなど、アパレル業界でよく聞かれる言葉について紹介します。
布帛の特徴は型崩れのしにくさ
「布帛」の読み方は「ふはく」。綿や麻の布を意味する「布(ふ)」と、絹の布を意味する「帛(はく)」を組み合わせた言葉で、英語ではfabricと訳されます。
布帛という言葉は聞いたことがない方も多いかと思いますが、実はシャツやパジャマ、下着類、ハンカチなどにも使われていて、1年を通して身につけられていることが多い素材。皆さんの日常にも馴染みのある生地です。
布帛は縦糸と横糸を交互に重ね合わせて織っていく織物の総称で、大きな特徴は型崩れがしにくいところ。シルエットが変わりにくかったり、シワになりにくかったりするのもポイントです。
ちなみに強い光沢からは同じ仲間であることが想像つきにくいのですが、実はサテン(朱子織)も布帛の1つ。こちらもストレッチ性がほぼなく、表面にはたて糸もしくはよこ糸の片方のみが表れます。
布帛素材のデメリット
一方で布帛は生地の伸び縮みがしにくく、糸同士の密度が高いため通気性が低いことが懸念点です。最近では糸自体の素材も進化していて、ストレッチがきく素材を混ぜていると、少しは伸縮性を感じられるものもあります。ポリウレタンなどの化学繊維を使ったアイテムは、比較的伸縮性が高いものが多いです。
布帛とニットとの違いは「織り物」or「編み物」
洋服を大きく分けると「布帛」と「ニット」の2種類。作り方が大きく異なり、布帛は「織り物」ですが「ニット」は編み物です。またそれぞれ相反する特徴をもっていて、大きな違いは伸縮性です。
構造が固定化されている布帛は伸び縮みがしにくいですが、糸がループ状になっているニット生地は柔軟な動きが特徴。手編みでマフラーが作る時には、1本の糸で輪っかを作って編み込んでいます。ニットは着心地が良く保温性も高い一方で、ハンガーにかけて干していると肩の部分にハンガーの跡がつきやすいところが難点です。
ニットとカットソーの違いとは?
布帛やニットとよく比較される素材としてカットソー、つまりカット(裁断)&ソーイング(裁縫)生地が挙げられます。カットソーとはスウェットやTシャツのように、ニット生地を織物のように縫ったアイテムのことです。
しかしニットは1本の糸でループをつくって編み込んでいくため、横編み機を使うのが一般的。一方のカットソーは、丸編み機で編むことが多いのが大きな違いです。
洋服作りにおすすめなのは布帛?ニット?
買って着るのではなく作って着るのが趣味という方にとって、素材選びはとても大切な項目です。選び方の条件は「伸縮性」・「シワ」・「通気性」の3つは必見です。
まず伸縮性が高いのは布帛よりもニットです。そのため脱ぎ着がしやすいですが、布帛は型崩れがしにくくシワになりにくいのが魅力です。また布帛は通気性が低いものの通年使える生地で、ニットは温かみはあるものの暑い時期には不向き。
さらに布帛は頑丈な生地なのでミシンで縫いやすいですが、ニットは伸縮性が高いあまりミシンを思うようにコントロールできないこともあります。これらを踏まえた上で適切な生地を選ぶのが良いでしょう。
布帛のおすすめアイテムとコーデ
ここからはquadroでおすすめしたい布帛素材のアイテムを紹介します。まずこちらのクルーネックプルオーバーは、ウエスト部分で素材が変わる2トーンの切り返しがポイントのアイテムです。
「24/1GTⅡスーパー天竺布帛切替クルーネックプルオーバー」はシンプルなトップスですが、実はお腹の部分にポケットがありデザイン性にこだわっています。イージーパンツに合わせる肩肘張らないラフなコーディネートがおすすめです。
布帛風の生地も重宝アイテム
一見すると布帛のようなニット素材を使っているため、布帛ならではのハリ感とストレッチ性がうまく掛け合わされていて着心地抜群の1着。ゆったりとしたシルエットで、首元のリブを広めに作ることでシンプルになりすぎないように工夫しました。
カジュアルながらも品のある素材なので、こなれ感のあるコーデがすぐにできます。少しドレッシーなズボンとスタイリングするのがおすすめで、シューズやバッグには革製品を合わせてみるのもおしゃれです。
実は日常的な素材、布帛
今回は布帛(ふはく)の特徴や比較されがちなニットとの違い、裁縫好きの方に知っておいてほしい素材選びなどを紹介しました。布帛という言葉自体は馴染みのない単語かと思いますが、意外にも普段から使用している素材です。quadroではそんな布帛をはじめ長く綺麗に着用できる、素材にこだわったアパレルアイテムを多数取り揃えています。ぜひチェックしてみてください。